第32回ハイメスコンクール<ピアノ部門>全体講評

2021年3月17日(水)に開催された第32回ハイメスコンクール<ピアノ部門>について、審査委員長 練木繁夫先生から全体講評が届きましたので掲載させていただきます。

審査委員長による全体講評

 コロナ禍が和らぐ気配を見せようとしない2021年3月、北広島市芸術文化ホールで行われた第32回ハイメスコンクール・ピアノ部門を審査させていただきました。 参加した15人のピアニストたちは皆、高度な音楽と個性あふれる演奏を披露してくれました。これは課題とされている曲が各自の実力を発揮できる自由曲であるためで、国際コンクールであれば第3次予選に選ばれるべき内容です。そのためか15人の演奏には最後まで飽きることなく聴くことが出来ました。
 近い将来、海外留学を目指すピアニスト達だけに、各々の音楽には聴く側にアピールする魅力がありました。その心は、私が留学前に抱いていた気持ちを思い起こさせ、昔を慈しむ思いで聴いていました。
 1位に選ばれたのは、札幌北嶺高校を今年卒業した岸本隆之介君。シューマンのソナタ第3番ヘ短調、作品14から第1楽章、第2楽章、第4楽章を演奏しましたが、この不可解な難曲を見事な技術と解釈で構成していました。彼には聴衆を引き込む透き通る音色と音楽観があり、大きな才能には将来の有望性を感じさせられました。2位に選ばれたのは、札幌大谷大学で学ぶ荻原るうかさん。三善晃のピアノソナタを演奏し、繊細な感覚で素晴らしい演奏でした。普段のコンクールで希にしか聴くことのない邦人作品が、この名曲に相応しいレヴェルで弾かれているのを聴いて嬉しく思いました。上位入賞が二人共、札幌で学んでいるピアニストという結果になりましたが、北海道の音楽レヴェルの素晴らしさと教育レヴェルの高さに再び深い感激を覚えた一日でした。

 最後に、去年から続いているコロナ禍で先が読めないなか、今年の開催に向けて努力を惜しまず働いて下さった関係者の方々に、僭越とは思いますが、15人のピアニスト及び審査員の方々を代表して感謝の気持ちを申し上げます。

桐朋学園大学名誉教授
練木繁夫

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