第26回ハイメスコンクール ピアノ部門 入賞者発表

第1位  伏木 唯

自分ではあまり納得のいく演奏はできなかったのですが3年ぶりくらいに地元での、北海道での演奏だったので、すごくしあわせでしたし、このような賞をいただけて本当に光栄です。ありがとうございます。今、ちょうどベルリンに留学して1年目を終えたところなので、これで1年経って、ヨーロッパの空気に触れて、世界観が変わる面もあったので、これからますますヨーロッパの空気、いろいろな土地に行って、もっと自分の音楽の表現の幅を広げていけたらと思います。 

第1位の伏木さんには、宝石の玉屋様から副賞として、“純金ウィーン金貨ハーモニー”(1oz《オンス》)が贈呈されました。

第2位 永沼 絵里香

ハイメスコンクールは、音楽の道に進むと決めた時からいつか必ず挑戦したいと思っていた憧れのコンクールでした。そのようなコンクールで入賞することができてとても嬉しいです。留学についてまだ具体的には決まっておりませんが、留学先では音楽の勉強はもちろん、現地の人々や文化に直接触れることで、音楽家として大きく成長できるよう頑張りたいです。

審査委員長 土田 英介先生からの講評

皆さん今日はお疲れ様でした。朝から若いエネルギーを浴びて、私自身リフレッシュさせていただきました。
ハイメスのコンクールといえば、3年前初めて審査をさせていただきました。ここにいらっしゃるハイメスの先生たちにお会いするのは3年ぶりということでお顔を見た途端、大震災を思い出してしまいました。自宅もマンションの14階で、揺れで書類等が床に散らばる中、その中で北海道に来て審査をしたことを憶えております。
今日の演奏を聴いて、まず肉体的にも絶頂の時期で大変よく弾いていると思いました。これは大変素晴らしい事だと思います。
さて、それに音楽が加わったときに、譜読みの段階ではまず音を羅列するところから入る方が多いと思います。
今日は、残念ながらその音の羅列で終わってしまっている方も見られました。フレーズを作り、横の流れや対話を感じることによって、初めて音楽になるということを今日再度痛感いたしました。そこにオーケストレーションとして楽器の音を宛がうなどする際にも、フレーズによってなされていきます。
私は本業が作曲ですから、まずフレーズを感じた後にテンポなどをどのように記譜するかは後から考えます。そうやって考えていくと、記譜された楽譜から入っていく皆さんがフレーズに至るということは、初歩段階で一番必要な事だと思います。フレーズを感じた後は、それぞれの対話、落差などをつけていかなければいけません。
今日は、皆さんそれぞれ20分近くの演奏でしたが、このような演奏会場でそれだけの時間、聴衆を魅了するのは大変なことで、そこに落差、めりはりがどれだけあるかによっていかに聴衆の心理を惹きつけるかが変わってきます。
今日は、よく聴くと非常に細かいことをやっていても、少し耳が離れると全部メゾフォルテに聞こえてしまう演奏も若干見られました。それだと、1時間半のリサイタルプログラムでは全部が一緒に聞こえてしまいます。それでは落差をつけようと、割れんばかりのフォルテを出した後、今度は音の欠けたピアニッシモでは、曲が台無しになります。落差をつけながらどのように自分の音、世界を見つけていくかが皆さんのこれからの仕事だと思います。その際に、その作品がどのような世界を持った作曲家によって書かれたのかを考え、表現する世界と作曲家の世界のコラボレーションから何らかのメッセージをもらい、アーティストとしての表現に至っていただきたいです。
今後、皆さんがよきアーティストとして、世界に羽ばたき活躍されることを願ってやみません。
今日は演奏への講評も書いておりますので、利用していただけると嬉しいです。

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