第31回ハイメスコンクール<声楽部門>  入賞者の発表

第1位  月下 愛実さん(ソプラノ)

月下 愛実さん (武蔵野音楽大学大学院音楽研究科研究科ヴィルトゥオーゾコース修了)

◆入賞された今のお気持ちをお聞かせください

本当にびっくりしています。自分の中でうまくいかなかったところや心残りのあるところが多かったのでどうかと思っていたので、嬉しい気持ちと驚きとあります。

◆留学に向けての現段階でのお考えはありますか

考えているのはイギリス方面にいきたいと考えています。この前まで大学の修士に通っていたのですが、最後の修士演奏でイギリス作品を演奏してすごく自分に合っていたので行きたいなと思っています。ただ、先生の繋がりがあまりなく、まだ見つかっていないので悩んでいるところです。先生が見つかればイギリスに行きたいですし、もしイタリアなどに繋がりができればそちらに行きたいです。

◆今回の演奏作品(L.ドリーブ/歌劇『ラクメ』より “若いインドの娘はどこへ行く(鐘の歌)”)について

この曲は今年に入ってから譜読みを始めて、まだ数ヶ月しか勉強できていない曲なので迷ったのですが、自分の得意な高音の音がとてもたくさん入っている曲なので、自分の得意分野で挑戦したいと思って選びました。

◆今後ハイメスコンクールを受ける方へのアドバイスをお願いします。

本当は3年前に受けようか迷ったのですが、もう少し力をつけてから出たいと思って今回まで延ばしました。きっと受けようと思うタイミングがあると思うので、受けようかと思ったときに思い切ってチャレンジしてほしいと思います。

第1位の月下さんには、宝石の玉屋様から副賞として、“純金ウィーン金貨ハーモニー”(1oz《オンス》)が贈呈されました。

第2位   小林 奏さん(メゾ・ソプラノ)

小林 奏さん (愛知県立芸術大学大学院修了)

◆入賞された今のお気持ちをお聞かせください

入賞すると思いませんでした。できることはやったのですがあまり自分の中で出来はよくなかったので、いい部分を評価していただけたのだなと感じています。

◆留学に向けての現段階でのお考えはありますか

ドイツのヴァイマール フランツ・リスト音楽院への留学を希望しています。ロシア音楽を勉強したいと思っています。

◆今回の演奏作品(J.シュトラウス2世/喜歌劇『こうもり』より “私はお客を招くのが好きなのだ”、W.A.モーツァルト/歌劇『皇帝ティートの慈悲』より “私は行こう、たが愛しい人よ”)について

モーツァルトは日本の大学のオペラで演奏した曲です。難しいのですがモーツァルトの音楽はいいなぁ、すごいなぁと思い選びました。それからドイツに住んでいるので、ドイツ語の曲も頑張りました。

◆今後ハイメスコンクールを受ける方へのアドバイスをお願いします。

歴代の入賞者を見ていると、自分の先生も入賞されていますし、受けていいのかなと思うのですが、やっぱり受けてみたほうがいいです。こういう素晴らしいチャンスが、若い人たちを援助してくださる機会があるのはすごくいいことだと思うのでやってみたほうがいいと思います。

審査委員長 堀内康雄先生からの講評

本日はどうもお疲れ様でした。応援にかけつけてくださった聴衆の方々も長時間に亘って、どうもありがとうございました。

わたくしは第3回目のハイメスコンクール入賞者なのですが、約30年後にこうやってここで話すことになって感慨深いものがあります。
そして30年の長きに亘って、北海道のクラシック音楽界を支えてこられたハイメスさんに敬意を表したいと思っております。また今後のハイメスさんのご発展を祈念申し上げます。

まず順位を発表する前に、少し肩の力が抜けるお話をしようと思います。先年、喉を専門にマッサージする柔道整体師から聞いた話なのですが、ちょっとおもしろい話なのでご紹介します。
人間の筋肉は大きい筋肉は300あると言われており、小さいものを合わせると600の筋肉で出来ていると言われているそうです。しかめっ面をする筋肉は43個の組み合わせでできるそうで、笑顔は17個の筋肉の組み合わせでできる。じゃ、歌はどうなのかと云いますと、24個の筋肉の組み合わせで歌っていると聞きました。

ただし、例えば「C」の音を出すとき、私は12個の筋肉を動かして歌っているかもしれないですが、Aさんは20個、Bさんは15個で「C」の音を出している。つまり人によって筋肉の使い方が違うということですね。先生が「こう歌いなさい」と言ってもなかなかできない事があるのは筋肉の動かし方が、人それぞれ多少違うからだそうです。

声楽の場合は楽器が体の中に入って隠れていますので、他の楽器のように見ることができません。そこが難しいところであり、奥深いところだと思います。声楽は最終的には、自分自身が技術を極めていくという形態の芸術だといえます。

さて歌手としての技術・技能ができるまでに10年かかる、と大学で言われたことがあるのですが、やはり辛抱してテクニックを身につけオペラに挑戦するというのが、正しい道かなと思います。

今、クラシックの歌の道に進む人が本当に少なくなっています。オペラよりも、ミュージカルの方に行く人が多くなっています。今日の14名の参加者の方々を聴いて嬉しかったのは、皆さんの演奏がとても誠実で、声楽曲やオペラ・アリアを歌うのがすごく好きだということが、コンクールという緊張の絶えない状況にあっても伝わってきたことです。それは非常に嬉しい発見でした。

また、もはや『コンクール参加者』ではなく、既に『歌手』としてやっていけるような人が14名の中に幾名か居たように感じました。これから技術を見直してやっていかなくてはいけない人も中にはいますけれど、そういうことを感じられた事も収穫であったと思います。

今後皆さんがやっていく上で、焦りや迷いも出てくるでしょうが、急がずに自分の能力に合ったレパートリーから徐々に積み上げていき、長く歌って行って欲しく思っています。

このハイメスコンクールは年齢制限が33歳と伺っていますので、今後も挑戦し続けてほしいなと思います。今日はどうもお疲れ様でございました。 

2019.3.22 第31回ハイメスコンクール表彰式にて

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