【留学終了報告】三上絵里香さん(第23回ハイメスコンクール<ピアノ部門>第1位)

三上 絵里香(ピアノ)
2012年4月〜2016年9月 ケルン音楽大学、ミュンヘン音楽演劇大学へ留学

 私は、愛知県立芸術大学の協定校への留学第一期生として、学内選考を経て2012年4月から1年間、ケルン音楽大学ヤコブ・ロイシュナー先生のもとで留学を経験させていただきました。その後、ミュンヘン国立音楽大学大学院現代音楽科、および同大学Zertifikatsstudium Meisterklasseの2つの課程を受験して合格、3年間ミヒャエル・シェーファー先生のもとで勉強しました。両方の過程を満点の成績で修了した後、ミュンヘンでソロやアンサンブルの演奏活動、後進の指導にもあたっていました。また、ミュンヘンでPIANISTENCLUB Münchenにピアニストとして所属し、ミュンヘンで演奏会を多く行っていました。

 協定校への留学が決まる前から、普段勉強しているクラシック音楽の作曲家が生まれ育った地で勉強してみたいという希望がありました。県芸の学部生のときにハンガリーのブダペストで演奏させていただいた機会と、大学院生のときに受けたミュンヘンでのマスタークラスの経験から、その思いはさらに強いものへと変わっていきました。そして、大学院生のときに協定校への交換留学制度ができるということで、念願のドイツへの留学が叶うこととなりました。

 一般的に留学の準備として挙げられるものとして、留学を希望する大学・先生探し、語学、住宅探し、ビザ取得のための準備など色々とありますが、私の場合は留学が決まってから渡独するまでの準備期間が2-3か月ほどしかなく、特に語学には苦労しました。現地へ入ってからすぐに週5日毎日3時間の語学学校へ通うことにしましたが、知らない土地で慣れない環境で大学生活を始めたばかりの私にとって、毎週あるレッスンと門下発表会、授業と語学勉強を両立させるのは大変でした。もしできることならば、留学する前からしっかり語学を勉強しておくことをおすすめします。

 ドイツへ留学して改めて強く感じたのは、国全体が音楽を愛していて、昔の作曲家たちが残したものが自然な形で現代に受け継がれていることです。学生は特に、安価で著吊な演奏家のコンサートへ足を運ぶことができ、また一人の音楽家として教授たちと対等な立場で意見を交わすこともあります。普段から大学で多く行われる学生によるコンサートにも、規模の大小に関わらず一般の方々が大勢来られます。このような環境の中で、常に自分の意見、個性を大事にしながら、積極的に行動していくことの大切さを学びました。

 ドイツからは、他のヨーロッパの国々へも電車や飛行機で簡単に行けるので、旅行はもちろん、ドイツ国内外で行われる国際コンクールに挑戦することもできました。コンクールは、ドイツはもちろんイタリアやフランス、スペインなど、大小さまざまに数多くあり、何度となく受けに行きました。ミュンヘン国立音楽大学卒業のタイミングでミュンヘンで受けたコンクールMusikpreis Kulturkreis Gasteigで1位をいただけたことは、県芸から始まりケルン音大、ミュンヘン音大と長い学生生活の中で学んだことを評価していただけたような気がして、本当に嬉しかったです。お世話になった先生方に感謝してもしきれません。


 このような留学の経験を経て、将来的には日本の音楽界に貢献したいと思っています。ドイツではクラシック音楽から現代音楽まで幅広く学ぶことができたので、その経験をこれから日本、札幌で演奏と指導の面で生かすことが出来たら、と考えています。とりわけ現代音楽は、日本ではまだまだヨーロッパと比べると理解されにくいところがあると思いますが、少しずつ理解が深まっていったらいいなと思っています。クラシック音楽、現代音楽どちらの分野でもソロだけでなく、アンサンブルを演奏する機会も多くあったので、この経験を糧にしてこれからも勉強を続けていきたいです。人生の長い時間をかけて音楽と寄り添いながら、演奏だけでなく、音楽とともに人間的にも日々成長していきたいと思っています。


(2016年9月帰国)

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